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[コメント] 大統領の理髪師(2004/韓国)

「自由意思」を讃える帰結部については意外性も含め申し分の無いコリアン・ニューシネマ。しかし、どうしてこう漫画的にしてしまうのだろうか?音楽までコミカルにしてしまうのか?理解しかねる。今、映画は、そこまで媚びねばならないのか?
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







子供の脚の障害を、父親の政治的不自由と連結させるという、一歩間違ったら失笑を買ってしまうような古式ゆかしき説話性を、非常な説得力と求心力(*ソン・ガンホ、ムン・ソリの熱演に追うところが大きい)で見事に語りきっている。「生まれる前」の少年から始まる視点の変遷も見事であった。

背景のリアリティに溶け切ってしまうことを嫌った脚本後半部から、希望溢れるラストに掛けては、或いはイ・チャンドン監督の『ペパーミント・キャンディ』の苦さに対する一つの回答であるのかもしれない。私はそれは買う。

ただ、コメディとしては買わない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ナム太郎[*] 鵜 白 舞[*]

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