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[コメント] プルーフ・オブ・マイ・ライフ(2005/米)

グウィネス・パルトロウの演技は素晴らしかったが、主人公であるキャサリンの造形に厚みがない。映画全編にわたって彼女のことが理解できない。
ゆーこ and One thing

 こういう「天才が周囲に理解されない映画」って、スクリーンの中では主人公が孤立無援でも、観客は100%主人公を信頼できる状況にしておくのが常道だと思うんですけどね。

 キャサリンが、父であるロバート(アンソニー・ホプキンス)に匹敵するレベルの逸材であり、画期的な数学の証明を生み出せる可能性があるという事象を強調して演出してくれないと、いくら彼女が「この証明は私が導いたの!」と泣いて絶叫しても、彼女の側に立って応援することが出来ないです。

 例えば、小さい頃にロバートが示した数式の解答を一瞬のうちに導き出したとか、高校なり大学で逸材だったことは周囲によく知られているが、ここ数年は父の世話に忙殺されて世間と没交渉になっていたとか。そういうエピソードが欲しいです。

 キャサリンがちょくちょく噴火する理由もよく分かりません。父の世話を5年も続けてきたからでしょうか? やりたいことをそれで潰されたようには見えなかったし、世話がいやでいやでしょうがなかったようにも見えなかった。そこそこ2人うまくやってたじゃん。

 そういう穴を埋める作業に手抜きが感じられるので、噴火するキャサリンを見て、お姉さんであるクレア(ホープ・デイビス)が情緒不安定では?と思う気持ちも理解できるし、ハル(ジェイク・ギレンホール)が「君にこの証明は出来ない!」と言うことにも一理あるのでは?と感じてしまいます。本当はこんなこと感じさせたら絶対ダメなんですけど。

(評価:★3)

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