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[コメント] 不連続殺人事件(1977/日)

坂口安吾の推理論。小坂一也の説く「心理の足音」には深く感銘。 横溝正史並のエグい相関図を描きながら、中身はまんまアガサ・クリスティ
AONI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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憎み合っていると思われた男女が、実はグルで共犯関係にあった。このトリック、アガサ・クリスティが良く使う手法じゃねえか!!

「味方の中に逃げ込まずに、人のいない屋外に向かって逃げ去るということは、人間の心理においておよそありうべからざる奇々怪事であります。すなわちそこには、どうしても人のいない屋外に向かって逃げねばならなかった理由が無ければならない。」  不覚の「心理の足音」を説く小坂一也=原作者坂口安吾の鋭い犯罪者心理分析に舌を巻かずにおれない。同業者である文人達が、相当批判的に描かれているのも印象的だった。

本格派ミステリーには肝心の、屋敷のセットが大変に良く出来ている。特に、皆が集まって座れる居間の長テーブルのセットがいい感じです。

役者陣では、なんといっても内田裕也夏純子カップルに尽きるでしょう。一人時代錯誤的なロックンローラー内田裕也。無理して難しい言葉使いをするとムチャ棒読みなんだが、この人が一番芸術家っぽいことも認めざるをえない。

そして変態ドクター松橋登!!こんな医者しかいない村には絶対に住みたくない。「Dr.スランプ」ののりまき博士こと、声優内海賢二まで足の不自由な詩人役で出ていて驚いた。アニメやナレーションで聞き慣れたこの人の声に親近感湧きまくり。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ペペロンチーノ[*]

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