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[コメント] 御用牙(1972/日)

凄いぜ、変態だぜ、馬鹿だぜ小池一雄ワールド! 「一番に“御用”となるべき危険人物はお前だろ!」という勝新に対する至極当然のツッコミはこの際不問。男なら、勝新の鍛えられた“凶器”に平伏すべし!  以下、18禁→
AONI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







なんというアナーキーな映画が製作されたのであろうか!凄いぜ、ビバ70年代!!時代劇の大スター勝新太郎&時代劇の巨匠三隅研次コンビが生み出したカルト時代劇。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった劇画作家小池一雄のパワーを感じずに入られない。

何が凄いって!全てが凄いのだが、やはり半蔵が己の“ムスコ”を鍛え上げるシーンにつきるでしょう。己のナニに熱湯をかけた後、板の上に置いて棒で執拗に叩きまくる。乗せ板は日頃の練習の積み重ねで“ムスコ”の後がクッキリ凹んでいる。お前のナニは何で出来とるねん!!しかし、それだけではな〜い!!サンドバッグならぬライスバッグ(米俵)に自分のナニを刺し込む練習が残っているのだ。ズブッ!グサーッ、グサーッ!!この日頃の鍛錬シーンがあるからこそ、後の拷問の威力に迫真性が増すのだ!(ホンマかいな。)

その拷問とは・・・、簡単にいえばレイプ!!自白させたい女を縛り上げて後ろから犯す!犯す!犯す! 抵抗していた女も最後には半蔵の“ムスコ”にメロメロメロリンキュー!津川雅彦夫人である朝丘雪路も、70年代前半のセックスシンボル渥美マリも、半蔵の“ムスコ”の前では「スゴイ・・・!アーッ・・!!、止めないで・・・!」と白旗状態。あっさりと自白していくという筋書き。そんなこんなで、朝丘雪路を巡って上司西村晃と“穴兄弟”になった勝新。「弟をもっと大事にしてくれよな!」「ウム・・・・。よろしくな・・・。」なんていうお下品トークも聞けるのだ。もうアホすぎてアホすぎて・・・。

勿論、アクションシーンが無いわけではない。ちゃんと田村高廣という凄腕の浪人も現れて半蔵と対決するのだ。しかし、チャンバラ演出の名手三隅研次の手腕はエロ拷問での方が発揮されている。多くは語るまいが、良くもまあ・・・。真上から、斜めから、カッコいいカット割りで見せられるエロバカ拷問シーン。

そんなかんなで事件(なのか?)は一応の解決を迎えるわけだが、これで安心してはいけない!最後に本筋とは全く関係ない衝撃のエピローグが用意されているのだ。死の病にかかり助かる見込みのない爺さんを、か弱い娘に代わって首吊り自殺に見せかけて殺してやるカミソリ半蔵。「フッ、今日もいいことしたぜ」という満足気な顔で勇壮に立ち去ってゆくのだ・・・。

ポルノ時代劇 忘八武士道』の石井輝男監督もそうだが、アクション映画の鬼才と小池一雄ワールドは上手いことマッチする。併行して勝プロで製作されていた『子連れ狼』シリーズを三作目まで任せられていた三隅研次が、四作目を外れて担当したのが本作。「WHY!?」

そうはいうものの、三隅研次監督はこのシリーズは一本でいいよとばかりに、又『子連れ狼』シリーズ五作目にめでたく復帰。ということで二作目(って、二作目が製作されたこと自体が衝撃だが、全三作あるのだ!)を担当したのは・・・、なんとマエストロ増村保造!!!!

(評価:★4)

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