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[コメント] 月に囚われた男(2009/英)

サンダーバードのTV放送に熱中し、アポロ11号の月面着陸を目の当たりにした私世代には、アナログ風味な月面基地やロボット君などの装置がノスタルジックで心地よい。この手作り感こそが人間的ぬくもりの源泉でありサム(サム・ロックウェル)の孤独を際だたせる。
ぽんしゅう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







使い捨て作業員サム。近ごろの日本でも、使い捨て労働者の扱いが問題になったばかりだったではないか。サムが「僕たちは人間なんだと」と語りかける相手は、機械のはずなのに人間味を持ったかのような人工知能ロボットのガーディーだ。しかし、ガーディーが、サムの訴えに対して何か応えることはない。ガーディーは機械なのだから。

さて、日本の使い捨て労働者も目の前に「僕たちは人間なんだと」と訴える相手が見えているうちに叫ばないと、職場は同じような(クローン?)使い捨て労働者であふれかえり、せいぜい同僚のロボット相手に愚痴るはめになってしまうのでは・・・・。人間味あふれる機械だけが、人間性を奪い取られた機械みたいな人間の味方だなんて・・・・。「所詮はSFだから」などとは言っていられない今日このごろ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)peaceful*evening

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