[コメント] GAGARINE/ガガーリン(2020/仏)
実在の宇宙飛行士の実写から巨大建造物のポップな威容へ。コミュニティの日常に分け入り個々人の心情と葛藤を経て、団地解体という現実のなかに出現する疑似宇宙ステーション。既存ドラマの文法をギリギリの線で崩さないイメージとルックの変転が自由奔放で面白い。
がっちした体躯でいながら朴訥とした16歳の青年ユーリ(アルセニ・バティリ)は、設備機器の知識に詳しく工作も得意。行動原理はいささか幼稚だが、その真剣さは有無を言わさず、見ているうちにどんどん応援したくなってくる。
ついには彼は、閉鎖空間に閉じこもることで、無限の空間と時間を手に入れようとする。やっぱり、まだ子供なのだ。孤独な駄々っ子の攻め一本鎗の引きこもり。手を差し伸べるのは、やはり定住のままならないロマの少女ディアナ(リナ・クードリ)。若い二人の"寄る辺"に光明をみたい。
リナ・クードリは『フレンチ・ディスパッチ』にも出てましたが愛らしい女優さんですね。29歳だそうですが全然見えません。
余談です。私も夜道で、点々と明かりの灯った巨大な塊(団地)が闇に浮かんでいるのを見て、わっ『未知との遭遇』!!って、思わず携帯で写真を撮ったことがあります。
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