[コメント] 赤い手のグッピー(1942/仏)
変化を封印して既得権(過去)にすがる一族。彼らの都合に翻弄される青年(ジョルジュ・ローラン)。窮屈さに甘んじて依存するはみ出し者(ロベール・ル・ヴィギャン)や知的弱者青年。因習と男尊の犠牲を強いられる娘(ブランシェット・ブリュノワ)。
過去に傷ついた一族のはぐれ者である通称赤い手(フェルナン・ルドウ)は、そんな若者たちの未来に向けて微かな希望を差し延べる。先延ばしされた幸福は、若者たちが自由を手にするまでの時間の猶予でもあるのだ。自ら固執する“守旧”という「時間の壁」に閉じ込められるグッピー一族の自業自得。
そんな寓話をジャック・ベッケルは、サスペンスとコメディの境界を行き来してつつ巧みに綴る。
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