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[コメント] 時をかける少女(2006/日)

絵的にはかつてない高揚感、爽快感を感じる事が出来たのに、肝心の人物描写が若干粗かったと思います。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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とにかく絵が綺麗。特に背景が素晴らしく、モクモクと発達する積乱雲を見ていると、嬉しくてニヤニヤしてしまいました。あの描写はとても好きだったなぁ。それからハイコントラストを強調した色使いもとても好きでした。真琴がプールの飛び込み台から真っ青な空を翔るシーンはなんとも言えない高揚感。ストーリーや構成も非常に「出来上がって」いる印象を受けたし、私は今正しいジャパニメーションを見ているんだろうなーと強く感じました。

それでも観終わってみると、爽快感は得られず、むしろなんだかもやっと変な気分になってしまいました。それは自分が真琴とリンクする部分が皆無だったからだと思います。

タイムリープがもし使えるとしても私だったらそんなカラオケ10時間歌わないし、告白を避けるなんて非道な事もしない。カラオケなんかは特に「女子らしい、日常の些細な事でタイムリープを使ってしまう」っていう単なる描写だったんだろうけど、どうも入り込めなかった。これも私だったら絶対しないけど、ケーキバイキングの時間を繰り返すって方がよほど女子らしいと思うし、それだったらまだ入り込めたハズなんだけど、男子二人が絡むとそうもいかなかったのかな。そういう3人の微妙な関係を保つ為には仕方のない設定だったのかも知れないけど、後先考えずにガツガツタイムリープしてしまう怖いもの知らずな性格からしてすでに感情移入出来ませんでした。いくら高校生とは言え、ちょっとガサツすぎるし、デリカシーが足りないかなと思いました(後輩の恋をなんとかしようと勘違い行動を起こすあたりはちょっと『アメリ』を思い出したりもした)。

それから告白のシーンを避ける為に何度もタイムリープしていましたが、それでも告白が避けられなかったのは運命的なものを感じさせる良いシーンだと思ったのですが、人が死ぬという事はいとも簡単に避けられるところなんか、ちょっとご都合主義に感じてしまいました。

声優さんたちはとても良かった。なかでも石田卓也は最高だなぁ。

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08.09.24 記

(評価:★3)

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