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[コメント] ICHI(2008/日)

せっかくの奇抜な設定も、脚本の未熟さで活かしきれなかった印象。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とんがってるところもなければ、ガッツリ感もなく、大袈裟なCGでもあるのかと思えばそれもない。あったのは恥ずかしくなるような青い説教臭のみ。トーマが刀を抜けなくなってしまった理由とか、市の境目が分からない空虚感とか、なんか本当無理やり理由つけて話繋げてますって感じの煩さが気になる。その取って付けたようなわざとらしさが青さを感じさせる原因だと思うし、説教臭くもなっているんだと思う。刀が抜けない理由なんて特に、そこまで大仰に作りこまなくてもいいと思った。だって刀が抜けないってダケで充分じゃん?何か理由があるんだなってそれだけで分かるし。それを一から十までご丁寧に説明してくれる事自体が野暮ったい。

あと市の見せ場があまりにも少ない事も不満の一つで、せっかくの女座頭市なんだから、女版ならではの面白さを引き出して欲しかった。これじゃあ別に女である必然性が感じられない。うっわあ!座頭市って女にしたらこんな面白いんだ!っていう新しい発見が何もないんだもの。これじゃあ単なる物珍しさのみで性別を変えたって感じにしか思えない。

綾瀬はるか女の私から見ても超かわいいし、それだけでなんだか幸せにもなれるんだけど、殺陣もそこまで絶賛されるようなものか?と思ったし、あんま萌えポイントはなかった。普通にしてたってかわいいもんあの子。

それから中村獅童はヒドすぎる。キャラ設定も面白くなければ、演技も面白くない。意外性が皆無(竹内力も同様)。

音も良くないと思った。対立する組同士の決闘シーンはどこの大戦争だってくらいすごい音を立てているし、回想シーンに変な音を被せて三味線の音をごまかすような演出も気になった。三味線の音はこの作品の物悲しさに非常にマッチしていたと思うので、その音だけで充分だったんじゃないかな。(綾瀬はるかの唄も不要)

この監督にこの出演者なら、もう少し毒々しいものが仕上がってもよかったんじゃないかと思うんだけどな。

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09.09.09記(09.09.08DVD鑑賞)

(評価:★3)

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