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[コメント] 太陽は、ぼくの瞳(1999/イラン)

何かを掴もうと必死に見えるその少年の手には、私たちには決して掴む事の出来ない「何か」が握られている。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







姉たちの為に買った絵葉書、祖母の為に買った赤い髪留め、水や麦の感触を言葉にし、神様に気持ちの全てを語りたいと泣く…目の見えない少年の愛しさで溢れる言動は、観ている間中、私の心をしめつけました。

その少年の手に握られた全てのものは、彼の愛に包まれる。彼の愛しさの溢れる指で触れられた風や麦や鳥は幸福でいっぱいになる。それでも少年は癒されない。触れたいモノに触れる事が出来ないから。少年がずっと触れたかったもの。それは父の愛情。 少年がラストに手にしたぬくもりは、彼がずっと焦がれていた父の愛だったんだと思います。

目は見える私。耳も聞こえる私。どこにでも歩いていける足だってある私…。それでも私には足りないものがある…。そう気づかせてくれたこの映画に感謝。

私に足りないもの。それはなんでもない日々を感謝するという心。

(評価:★5)

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