よかった！ 泣きたくなるけど、でも悲しくてじゃない。見終わった後は切ないけれど 爽やかな気持ちになりました。 細部にまでこだわった脚本と絵。 例えば、イエスタデイ・ワンスモア本部のコンピュータ？は古いB級SFに出てくるような、紙テープ(今時分かるかなあ)や電球がチカチカしている。 一見手抜きをしたようなものでした。 でも、一瞬クローズアップされたそれを見たとき、その考えが間違っていることに気づきました。 そのB級SFなコンピュータをディティールまで書き込んで有りました。 これはケンの趣味だったんですね。イエスタデイ・ワンスモアはここまでこだわっていたわけです。 このようなディティールまでしっかりした作品世界を構築し、その上で見事な懐かしさの演出。 それで大人の心をがっちり掴んでしまえば、後は赤子の手をひねるようなものです。 ひろしの若いころの思い出、ボロボロになっても諦めないしんちゃん、等でちょっと押してやれば・・・ でもなあ、クレヨンしんちゃんなんだよなあ。 ここで気がつきました。 クレヨンしんちゃんだからこそだったんですね。 下品なギャグ、一見稚拙な絵。 だから、何もガードしないで油断して見ちゃうんですよね。 これが、実写でシリアスで大作だったら身構えるから、ここまでやられることはなかったと思います。でも無防備心のどこかを直撃されるのも悪くないな。 この映画の評判を聞いて、期待して見る人は感動が薄いでしょうね。 皆さん、他人にこの映画を勧めるときは「いいよ」とか「泣けるよ」って言うのはやめましょう。 一言「みれば〜」