監督に言う。

映画にしなくていい。別に映画にしなくても、あんたが笑いのネタにしていて、いけ好かないと感じるものは、既に大概の日本人には判っているって。 さらに言うと、今回の映画の土台になっている、ダラダラとしたコントノリに使われているであろう、あんたがいけ好かないと思っている小市民的発想や行動様式は、別に日本特有のモノじゃない。バカな視聴者だけを相手に喰ってきたお陰で、そんなことも見えないか。カンヌで徐々に評価が落ちたのも、子供が大人に向かって、訳知り顔で説教垂れてるように映ったからさ。あんたのギャグは、テレビで見る限り王道だと思う。しかし、そんなものは所詮小さな日本のローカル領域でしか通用しないわけで、血塗られたヨーロッパのユーモアに立ち向かおうなんざ、数百年早いよ。

もう一つ。テレビを見るのに金はいらねぇ。劇場で映画を見るには、足を運ぶ時間も含めて金が掛かる。あんたはお茶の間でこそ生きられる。テレビ画面の枠から出るなよ。