妻子を捨てたくせに、のこのこ戻ってきた男ジミー、主体性ゼロ女シャーリー、どっちもどっちのバカ夫婦（よくあんないい子ができたもんだ）はもちろんのこと、デックなる男も気に入らない。

ただの間抜けならまだしも、ジミーとの「男らしい」落とし前話をでっち上げるだけならまだしも、「あいつはきっと彼女を殴っていたに違いない。そういうタイプだ」と言った表情には、偏見と興味本位しか読み取れなかった。本当に彼女を愛しているなら、そんな想像をしただけでも胸が痛んで当然ではないか。本当にシャーリーを愛しているのか。迫られると断れないタイプのかわいい女と懇ろになって、その子の娘と運よく相性がよかっただけで、実は相手は誰でもよかったんじゃないかとすら思えた。

（↑そういう意図が全くなかったとしても、ああいうセリフを平気で言わせる関係者の無神経さが嫌）

落ち着くところに落ち着いた話も、唐突過ぎて納得いかない。「ジミーもデックも、出ていっちゃうという点で同じ」と言ったマーリーンの言葉だけがうなずけた。ヘタレ同士がバカ女を取り合う、恥ずかしい話としか感じられなかった。

……なのに、個人的に、ロバート・カーライルだリス・エバンスだと、平生なら俳優名だけで映画を見ちゃうという人ばかりがキャスティングされているのがまた腹立たしい。