■■■注意：『ローズマリーの赤ちゃん』のネタバレがあるかもしれません■■■

　スラムさんも指摘されてますが、本当に恥ずかしげもなく『ローズマリーの赤ちゃん』をパクったＢ級ＳＦサスペンス。あのミア・ファローのベリーショートまで平然とマネるあたり、完全に開き直ってます。しかも同じＮＹが舞台。

　「ローズマリーの赤ちゃん」が悪魔崇拝の恐怖をＮＹの閉鎖的な豪華マンション内でじわじわと描いていたのに対し、こっちはスケールアップのつもりなのか、宇宙人の侵略。でも恐怖感は著しくダウン。そりゃそうだ。

　悪魔崇拝の恐怖は宗教観にもよりますが、「ローズマリー…」で描いた恐怖は「ある日突然、自分の周りの人たちがおかしいと気付いた」という設定にあるので、どんな人でもその怖さは思い当たると思う。悪魔崇拝でなくても最近は新興宗教など、現実に起こりうるし。でもこの映画の場合、怖がるとしたら原題どおり「宇宙飛行士の妻」たちぐらいじゃないでしょうか。宇宙飛行士をピンポイントで責めた侵略方法らしいから、自分にゃ一切関係ナイな…。

　自分に設定上関係がなくても感情移入はできるんだけど、この夫婦がまたウソくさいほど美男美女で金持ちでオシャレなマンションに住んでて生活感ゼロなもんで、正直いって感情移入どころか反感すら感じてしまった…。