有名な話だとは思うけれど一応。この映画の着想となったのが、数年前に流れた、ＪＲによる『クリムゾン・タイド』のパロディＣＭだそうな。

艦長「この潜水艦は長野へ向かーう」

副官「無理です、長野には海がない！」

女オペレーター「新幹線なら！」

副官「それだ！」

だいたいこんな感じの内容。これをヒントにしたのだと、原作者の福井氏は完成後のインタビューで答えていた。

　その真偽はともかくとしても、私はこのＣＭも元ネタの映画も大好きだし、あらかじめその予備知識を得た上で観に行ったので、劇中で俳優たちが無駄に大仰でシリアスな演技をするたび、作り手の遊び心が透けて見えるようで、かえって笑えてしまって仕方がなかった。

　何にせよ、けっこうお気楽なコンセプトの映画だということは事前に知っておいた方が楽しめると思う。目を三角にしてアラ探しするような映画じゃないのよ。