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[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004/日)

「カスカベに帰ろう!」・・・嗚呼、なんて熱き言葉なんだろう。
sawa:38

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







忙しさにかまけて(状況に身を委ねて)自分を見失ってやしないか?

失われゆく記憶を必死に確認し合う姿に涙が出ないか?

しんちゃんとぼーちゃんの二人の姿は、まるで故国日本を遠く離れたジャングルの中で自分たちのアイデンティティーを確かめ合おうとする戦友のようであった。例えどんな状況になろうとも、カスカベへ帰る。その強き意志に涙する。

「カスカベに帰ろう!」という熱き言葉に表される一貫したテーマ。「自分」を取り戻す為の大脱出劇という単純だが明確なテーマが骨太に構成されている。そこには挿入される軽快なギャグさえも鬱陶しくなるほどの主張がある。

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私は仕事が終わると毎日、自宅のある「春日部まで」帰る。だけど明日は言葉を言い換えてみようと思う。「春日部へ帰ろう」と。

この言い換えの意味は大きい。そう、春日部に待っている家族の元に戻るのだ。職場での「私」ではなく、本来の「私」を取り戻す為に帰るのだ。

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機関車のシーンの特別ゲストには感激した。その中でもクリス(Y・ブリナー)とヴィン(S・マックィーン)・オライリー(C・ブロンソン)は日本語吹き替え版のオリジナル声優で揃えるというコダワリは感涙だったし、エンドクレジットには上記の役名まで載せてました。こういう小粋なところがクレしんの魅力なんですよね。

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この「漫画映画」に子供たちは大喜びでした。このサイトでは不人気のようですが、所詮クレしんは子供たちのモノ。我々大人がこの「漫画映画」に何を期待するのかは、子供にとって無関係。『大人帝国』のような枠外の傑作が異色なのであって、やっと本来の姿に戻りつつあるのではないかとも思います。逆に、こんな漫画に何かを期待する事こそ不気味であると思うのは言い過ぎなのでしょうか?・・・・・

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)アルシュ[*] 水那岐[*]

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