[コメント] 蛇にピアス(2008/日)
同様の嗜好・感性を抱く人々の渦の中に身を置く者から見ると、その生態や行動はよく描けていたと思う。だから辛い、問題なのは多様で複雑な彼等の内面が描けていないからだ。やはり巧緻な文章でなければ描けないのだろうか?
人体改造・タトゥー・バイセクシャル・首絞め
僕は全ての嗜好を認めるスタンスをとっている。(好き嫌いは別としてだが) そんな人々を至近距離で観察しているが、彼等は異常者ではない。
光の当たらない世界で蠢くことを望んだ彼等は実に繊細な人間が多い。求める快楽は様々であるように、彼等の繊細な部分も多岐に亘る。
原作は未読ですが、おそらくその辺りを描きこんだからこその芥川賞なのでしょう。映画化された本作だけの感想では、それが欠落していましたね。ここに描かれた様は21世紀初頭の風俗としての描写であり、社会からはみ出た者たちの生態や行動をなぞった、もしくは記録しただけに過ぎない気がしました。
もっともっと実験的な、そう昔のATG的な作風でもって少女を、もしくは彫師に人物を絞って描く必要があったんじゃないだろうか。例えそれが原作と離れたとしても映画としては数段レベルが上がったものが出来たんじゃないのかなとも思った。どうせこんな内容は万人受けしないのだろうしね。
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