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[コメント] エレファント(2003/米)

何とも救いようのないストーリーの中で、なぜ心洗われるのだろう。 カメラは人物たちを静かに追う。その視線は、驚く程瑞々しい。
asatrid

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







それは加害者や被害者の視線で、様々な感情を疑似体験したからだろうか。 怒り、哀しみ、未来への希望、未来への絶望、思いやり、葛藤、自信、焦燥感。 これらはとても人間らしい感情であり、厭うべきものではない。

学校生活というのは、誰かにとっては輝かしい日々かもしれないが、誰かにとってはまた残酷であり苦痛であったりする。いずれにせよ10代というのは不安定で力強くて、それでいて脆い。

現代人は社会生活の中でバランスを保つことが予め課せられている。 加害者のしたことは決して正しいことではないが、そのバランスを崩せば誰にでも起こりうる暴発かもしれない。(どんな行動をするかは別として) 見えない抑圧が本人にも知らないうちに、内側で何かがとてつもなく大きくなった時がその時。 誰も本当のことなんて掴めやしない。本人たちすら、判らない。

透き通る青い空がどうしようもなく哀しく、切ない。 あんな空は見たことがない。

(評価:★4)

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