うむ。エマの傲慢さだけが目立った。そんな気がする。自分勝手で後先を省みず，人の言うことをろくすっぽ聞かない，でもなぜか皆から好かれる，そんな人物が自分の思うとおりに行動したらどうなるのかってことが，映画を見て分かった気がする。ジャンルとしては恋愛コメディものなんて感じになるのだろうけど，どうもエマの頭の悪さにひっかかって，十分には楽しめなかった。

　特に気になったシーンは，ハリエック（ト？）がエマにナイトリーのことを好きだと告白した後で，エマがはじめて自分の気持ちに気がつき，その気持ちを叔母に打ち明けるシーン。そこでエマは，ハリエックなんかはナイトリーと結ばれる器じゃない，ハリエックの両親など海賊かもしれないなどと，愚にもつかないような悪口を言う。自分は，そんな悪口を思わず言ってしまうところに，エマの傲慢さを感じとってしまったのだ。どうもこのエマって女性は，他者を思いやっているようで，てんで思いやっちゃいないようなんだなあ。思いやっているんだと考えているのは，実は自分だけで，そんな自分に酔っているだけなんだよなあ。実は自分はそういう類の人間は嫌いなのだ・・・自分自身にそういう傾向があるから，逆に嫌いなんだろうなあとも思うんだけどね。

　あ，わかった。自分がなぜエマを好きになれないのかというが。エマが騒ぎさえしなければそもそも騒動など起きようがないのに，エマが一人で勝手に騒ぎ立てるから，いろいろ面倒なことが起きてしまう。それが自分にとってはいやなのだ。んー，でも逆に言うとそれがこの映画のおもしろおかしいところなんだろうけどね。・・・そういえば赤毛のアンもあまり好きではなかったなあ。

　・・・という感想を書いたものの，最近（2002年3月）テレビでたまたま見かけたら，思ったよりグウィネスがかわいかったので驚いた（笑）。あ，あくまでグウィネスの顔がね（趣味が問われるかもしれない(--;)）。エマという作中人物自体はやっぱりアホにしかみえんかったす。