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[コメント] 感染列島(2008/日)

…とりあえず、これまでになかった作品だから。というひいき目がないと本作は観ていてきつい。面白い素材を活かせなかったのがとても残念。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 そう言う意味では設定的にとても興味が惹かれるし、主人公の立ち位置も、微妙に真実に近いのに、あくまで一人の医者としてウィルスに立ち向かう。というもので、遠すぎず近すぎずという、良い位置関係を保つことは出来ていた。少なくとも前提においては非常に上手いとは思う。

 ただ、物語としてどうか?と言われるとそれは別な話。良い初期設定を残念ながら活かすことは出来なかったようだ…というか、設定以外が全部駄目すぎる。

 先ず感染源となった嶋田久作演じる医者のお父さんが、どうやって日本に入ってきたのか、あるいはどうやって日本を出られたのか、その根本的部分がすっぱり抜けてるじゃん。あんな明らかな感染源を国が外に出すはずは無かろう。地域封じ込め政策とか言いつつ、医者はいずみ野市民病院の中にいる人しかいないのか?封じ込められてるはずなのに、平気で長野とか海外に出る主人公のいい加減さもひどい。責任を持った医者は日本にはどこにもいないのか?突然海外に出て、ゾンビ映画さながらの恐怖を味わうってのも、無理があるってか、医者舐めとんのか?というレベル。医者はどこだ?

 本作を作るにあたり、この場合主人公は二人設定すべきだったと思う。一人は真面目な医者で良いから、もう一人は病理学者にして、そちらの方に動きは任せてしまえばこの辺全部解消出来たのに。折角フリーのウィルス研究者なんてのを登場させてるんだから、カンニング竹山なんかじゃなくて、もっと主人公っぽくさせてやれや。いっそ佐藤浩市をこっちに使えば良かったんだ。

 後、内容が薄いんだから、この素材で2時間半は使いすぎ。本作はやたら長回しが多用されてるのだが、その意味が全然感じられない。それに余計なキャラのパートが多すぎる。結果として間延びしすぎ。ラストシーンに向かう怒濤の展開も、テレビレベルのチープさ。大概のシーンはもっとスマートに出来たはず。これを2時間以内に収められない方がおかしいんだ。こんな間延びした話を1時間半も観てるときつい。後半1時間は時計をちらちら見てたよ。

(評価:★3)

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