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[コメント] コットンクラブ(1984/米)

コッポラの才能は既に『地獄の黙示録』(1979)で吸い尽くされてたのかな?
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 NYのハーレムに実在した伝説のナイトクラブ、コットンクラブを舞台にした群像劇。実在するマフィアのダッチ=シュルツやオニー=マデンなどを登場させた事が話題となった作品。

 『ゴッド・ファーザー』(1972)にて二つのオスカーを手にしたコッポラだが、やはり息切れしたのか、しばらくはギャングものからは離れていたのだが、約10年ぶりに再びギャングものに挑戦した一作。

 『ゴッド・ファーザー』ファンにとっては待ちに待った作品…と思われたのだが、いざ本作を出されると、複雑な思いをさせられることになる。

 何というか、明確に「悪い」とは言えない出来なのに、どの部分もキレが悪く、もたついた作品という印象しか持てないのだ。

 改めてこれを考えてみると、『ゴッド・ファーザー』はマフィアの非情な、乾いた描写が特徴だったのに対し、本作の場合、古き良き時代へのノスタルジーに溢れている所に問題があったのかも?雰囲気は確かに凄く良いのだが、その雰囲気に物語が阻害されてしまったようにも思える。話自体二組の兄弟の物語が輻輳する結構複雑な、情念に溢れたものだったのも災いだった。

 コットンクラブの雰囲気は良く、タップも上手かったのだが、詰まる所雰囲気以外何の印象も残らない話になってしまった。これだったらコッポラも戻らない方が良かったんじゃないか?

 コッポラも、「夢をもう一度」と思ってたかも知れないけどねえ…考えてみると、本作以降監督作品はたいしたものが作れてないな。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ジェリー

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