[コメント] お嬢さん乾杯(1949/日)
メロドラマが今ひとつ乗り切れない私だからこの点数ですけど、実際はもっと評価して然り。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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戦時中心ならずも戦意高揚作品を作らざるを得なかった木下監督がようやく本領発揮と言った感じでのびのびと作った作品。
物語そのものは身分違いの恋という昔からあった物語をベースにしているが、民主化の波の中、その恋が祝福されているというのが大きな特徴だろう。確かにこれまで考えられない組み合わせだし、キャラも演出ものびのびとした雰囲気を伝えてくれる。 ただ、こういう身分違いの恋が実るような時代になったからと言って、本当にそれで普通につきあえるのか?と言う部分が違っている。お互い住む世界が違うので、考え方も趣味もお互い全く知らないことだらけ。最初はそれも新鮮だが、やがてそれは避けられない溝として登場してくる。その過程での思いのすれ違いが大変興味深い所。
身分の差はもう無くなった。後は人格的な問題としてドラマが作られるようになった。それが高らかに謳われている。この設定が実に良い。
名優として抑えた演技の多い原節子が溌剌とした演技を見せてくれるし、ひたすら人の良い役を佐野周二が自然体で演技しているのも好感度高い。佐野周二は成り上がりという割りには上品すぎるけどね。
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