エッカートが製作総指揮を兼ねてる作品。逃亡する誘拐犯を追跡、銃撃への叱責、迫るタイムリミット、強引な取材、事件の生配信、TVによる拡散、美尻マッチョ、主犯の反撃、巧妙な罠、最終決戦、見どころは多い。多いが、アラも多い。

まず、冒頭の張り込み、捜査員うかつ過ぎ。「見るな！」は至極真っ当。それに犯人の弟、目的が「復讐」ならば、身代金受け取りにわざわざ出向く理由が薄い。そりゃもちろんお金は大事だよ。でも警察署長？の娘を誘拐してんだから、受取場所に待ち伏せしてるのは、ハナから判っていること。主犯も、失って悲しむ大事な弟を、そんなところに単身向かわせるなんて、無謀すぎ。

次はエイヴァ。規制線を越えて、指令車を盗聴するなんて、周囲の警備は何してんの？で、出てきたペニーに堂々と取材。周囲の警備は何してんの？

生配信をＴＶで拡散。映画のアイデアとしては面白いんだが、ここでの登場人物、ＴＶ局の女性プロデューサーが、ペニーの「過去」をわざわざ暴露する意味は？このプロデューサー、映画として必要か？

そして美尻マッチョの部屋で、ペニーは２度も壁をぶち破ってぶん投げられてる。普通なら、大けがしてるよ。でもほとんど無傷で、その後も全力。ペニーもそうとうタフだし、このやり取りはコントだ。

で、主犯が車で駆けつけるが、わざわざ工事現場に乗り上げて、ジャンプして突っ込む意味がない。そのせいでケガしてるんじゃん。

で、その後も救急車を奪われたり、もう警察うかつ過ぎとか、色々あるけど、一番の疑問、少女の閉じ込められていたのが、あんな土の中なんて、墓場でどんだけ大工事？それに、少女が水に溺れる前に、先に窒息死するよ。

あと、名前。ペニーがエイヴァ呼んでるのに、時々「グローヴァー（メガネっ娘）」の名を呼ぶことが何度もあって。最初は生配信を聞いてるグローヴァーに話してるんだ？と思ったが、そうじゃない時が何度もあった気がする。

と、ツッコミは果てしないけど、実はキライじゃないです、この映画。原題の「Line of duty」は、直訳すると「勤務中」とかかな？ペニーの警察としての仕事と、エイヴァのリポーターとしての「勤務中」のような意味か？