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[コメント] ジャスティス(2002/米)

邦題『ジャスティス(正義)』 Vs 原題『HART’S WAR(× 心の闘い/○ ハート中尉の闘い)
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







kiona様、訳の違いのご指摘、ありがとうございました。「HEART」じゃなく「HART」、つまり主人公ハート中尉のことでしたね。でも予告編では「心の闘いを描いたサスペンス」とかいってるし、そっちも勘違いしてたのか?、あるいは言葉を掛けていたのか?

●まずこの作品、去年('01)の年末ぐらいに映画館内にチラシが置かれ(ブルースやコリンの顔はなく、雪の収容所の暗い風景のもの)、ぽつぽつと予告編(の予告みたいな)が流れ始めた。そのときは原題の『HART'S WAR』がそのまま邦題「ハーツ・ウォー」にもなっていた。「200人の命か、たった一つの正義か」がキャッチフレーズだった。

ところが今年('02)の初夏あたりから、おなじ映画と思われるのに、『ジャスティス』と書かれたチラシや予告編(本格的)が始まった。

いったい何処で変わってしまったのだろう。原題と邦題が変わる映画なんてたたくさんあるが、いったん決まった邦題が途中で変わるものは珍しいかもしれない(予告始まって、公開されるまでがだいたい長い。長いのは『ウインドトーカーズ』『ギャング・オブ・ニューヨーク』等相次いでいる。やはりテロのせいか)。原題よりも「ジャスティス」のほうがシャープで、過酷なイメージがあるかもしれない。「ハーツ・ウォー」だと柔らかい、優しい言葉に見えるかもしれない(私の主観です)。

ストーリー的には「正義を貫く」姿勢の主人公(コリン・ファレルの方)なので、「ジャスティス」でも間違いではないと思うが、「正義か人命か」という究極の選択を強いられる主人公たち(コリンとBウィリス)の「心の闘い」が話の根源なので、「ジャスティス」では法廷モノのイメージが強すぎるというのも含めて、原題の邦題「ハーツ・ウォー」の方が「こころ」と「ハート中尉」を掛けていて好きです。

●内容的には、ナチの大佐がいいひと過ぎる気がする。(光浦靖子評・生徒会長ばっかりでてくる。もっとえげつなさがあってもいい)・・・というのもうなづける。いままでの映画なら、もっとコイツを極悪人にして、ブルース・ウィリスがアクションヒーローと化して、大活躍にてめでたしめでたし、となるところだが、このナチ大佐(マーレス・ユーレス)がめちゃめちゃ渋い(いい人というよりは、渋い人格者という感じ)。そのせいでブルース・ウィリスも渋い役どころに回って、おいしいところは若手に任せた!ってかんじで、今までで一番良かった(最後はおいしいとこ持ってったけど)。

若手のコリン・ファレルは「おぼっちゃん将校」の青さと、正義と人命の間でゆれる人間味をよく演じていたと思います。『素肌の涙』『私が愛したギャングスター』『タイガーランド』とみてきて、成長したなぁと感慨深いものがあります。次回作『マイノリティー・リポート』に大抜擢ということで話題になってますが、多分、今回と違いトム・クルーズがおいしいとこ全部持ってくので、あまり期待してません。

欲を言えば殺されるコール・ハウザーのベッドフォードがステレオタイプすぎるような気が。

(評価:★5)

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