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[コメント] ティアーズ・オブ・ザ・サン(2003/米)

ちょっと、ストーリーは矛盾している部分もあるが、意外にいけた。個人的に、いつも悪役のコール・ハウザーがかっこよかったのがうれしい。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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なかなか、じ〜んとくる映画だった。かなり重いテーマだったと思う。任務遂行vs人道といったところか。

ブルース・ウィリスとモニカ・ベルッチが、変に恋愛感情を抱かないのもよかった。最近の戦争映画には、必ず無駄な恋愛がくっついてくるので、今回は潔いと思った。モニカ・ベルッチの役どころは「女医」だけれども、「医師」であるが「女」としてかかれていなかったことは結構重要。とくにセクシーな女優ベルッチを起用してのリーナ・ケンドリッチ医師というのは、映画にとっても、ベルッチにとってもよかったと思う。

コール・ハウザーは、結構好きな俳優だが、『ピッチ・ブラック』『ジャスティス』『ハルク』『ワイルドスピードX2』と悪役続き。まともな役だったのは私が見た中では『ホワイト・オランダー』ぐらい。だから、今回かなりクールでいかした、おそらくこの小隊のなかで一番信頼された兵士役だったのが素直にうれしい。

思い出したのが『ブラックホーク・ダウン』でも出た戦交協定。「相手が撃つまで、撃つな!」ってやつ。今回重要なのは、人道上のこととはいえ、自らその禁を破ったところ。映画の冒頭で、それに触れる部分があり、あの場面でまたそれを持ち出したらぶん殴ろうかと思ったら、破った。そのほうが映画としても、実際に起きたときのことを想像してみても、こっちのほうが自然だと思う。

ただ、矛盾が多くて。まず、リーナ医師を騙してヘリに乗せてから、壊滅した医療センターのすぐ上に飛んできたこと。そこにヘリが来られるなら、最初からそこに飛んでこればいいのに。12キロも危険を冒して歩かなくってすんだのに。その間一昼夜あったわけだから、その時間でセンターとカメルーン国境を何往復もできたはず。そうすれば全員助けられたのに。さらにリーナ医師を乗せたポイントから医療センターにヘリが飛んだころは、ナイジェリア軍はその区間のどこかにいるはずだから、ヘリが飛ぶのを発見できたはず。さらに最大の矛盾点は、スパイが発信機を持っていたのなら、12キロの移動中に、センターを襲うより先に、逃亡組が何故狙われなかったのか。さらに発信機を持たせるのではなく、スパイに「大統領の息子を殺せ!」と命じれば早いのに。あと、ナイジェリア側には飛行機・ヘリの類は無いの?

さいごに、小隊のなかに犠牲者が出た点は、さらっと流していいのだろうか?いや、逆にさらっと流したから、ハナにつかない、自然な流れで映画を楽しむことができた。ここは人によって感想が異なるとは思うが。

この映画、アメリカでは「中ヒット」ぐらいで、結構な制作費を掛けたにもかかわらず、「コケた」部類に入ってしまうのかもしれない。もっと冒険活劇的にしないと、アメリカでは受けないのかもしれない。

(評価:★4)

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