[コメント] パラダイン夫人の恋(1947/米)
アリダ・ヴァリを階段へとゆっくり誘導するカメラ。そして、カットの多角的な積み重ねと、「晒す」「晒される」「見上げる」「見下ろす」「盗み見る」「傍観する」視線の複雑な交錯。立体的で「見応え」ある法廷シーン。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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さらには、その視線から極力隔離されている陪審員席。当時の法廷というのが、いかに映画的な空間だったのか、ということをあらためて知った思い(少々不謹慎でしょうか)。
あとはアリダ・ヴァリの強い意志を秘めた目と、堰を切って流れ出る激情。まさに氷と炎、得難い個性とあらためて思う。チャールズ・ロートンの俗にどっぷり浸かった喰えない判事振りも見応えあり。ラストの燭台越のカットが印象深い。
ただ面白いのはあくまで部分的で、まだ全編通すと冗長な印象も。もったいぶっている割には、話自体はサスペンスというより痴情沙汰。
(2007/2/13)
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