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[コメント] 呪怨(1999/日)

ジェットコースターで言うトコロの、「落ちる恐怖」よりも、「落ちるまでの恐怖」の方がはるかに怖い自分にとっては、これは4点つけてもいいかも。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「せっかくここまで盛り上げたのに・・・」みたいな軽い落胆はそこかしこにあるものの、全体を通せば、かなり力(というか、念)のこもった画作り。

カメラを駆使して「日常」と「非日常」の危うい境界線上での、微妙な針の揺らし方に細心の注意を払っているのが如実に伝わってくる。あくまで基本的なテクニックを忠実に積み重ねていってるのだが、大抵だと時折性急に針を揺らして失敗するところを、大きく針を揺らすにしても効果のある瞬間をわきまえている。

ギスジさんと同じく、家庭教師のクダリの細かい演出が特に印象的。扉をバンと開けたらいきなり廊下が薄暗いシーンなど、その前後で演出に過不足があれば、ただの安易な常套句的シーンになっていたかと思う。後戻りできないと彼女が悟る怖さに説得力があった。

そして安易というか、直截的な叫び声が極力抑えられているのも好感。叫び声が固まりとなったかのように、喉につかえて思うように出ない、やっぱりこの方が生理には訴えかけてくる。丁度夢の中で反応しようにも、思うように声がでなかったり、体が動かなかったりする感覚にリンクしているのだろうか。

話に関しては、個人的にはあまり不満はなかった。わかり辛いことはわかり辛いけど、ハッキリ分かったところで、怖さが倍増するのか否か、何とも言えない気がしたもので。。。ただあれだけ「猫」を頻繁に扱っているので、それに関して位はも少し印象的なエピソードを挿入しても良いのでは、という気はした。ある程度なら想像はできるけど。あとどうでもいいけど、個人的には幽霊よりも洞口依子の方が怖かった。なぜか。

最後に。酒に必然性アリとはいえ、女がいきなり一升瓶かかえてラッパ呑みは、やっぱ絵的にヘンです。本人達真剣なだけに、余計笑えます。せめてコップに移し換えませう。

(2004/11/3)

(評価:★4)

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