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[コメント] キプールの記憶(2000/仏=伊=イスラエル)

イスラエル映画だ。なぜ戦うのかなんてことは一言ものたまわない。戦争の実態を淡々と描き続ける戦争映画なんだ。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ただひたすらに負傷者、死者を運ぶ描写が繰り返される。その執拗さは観客に忍耐を求められる。そのうち、観客は自分が戦場にいるような錯覚さえ覚えて来る。

これが戦争で、その戦場の実態である、と。

戦場の日常をさらりと表現してしまうその達観さには驚くが、しかし一定の距離感を置いている。リアルだけど、客観的なのである。ある意味写実的なのである。感情がない。哀しみもない。そこにはただ目の前の事実があるだけだ。

何と言っても、ヘリに乗っていてミサイルを食らってしまう描写は衝撃的で、この映画のある意味動的で初めて感情がくすぶる部分だ。中東では戦争は日常になってしまっていることの事実が重い。すなわち、死が彼らの日常であるということなのだから。

(評価:★4)

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