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[コメント] バンク・ジョブ(2008/英)

40年近く前、ロンドンで実際起こった貸金庫強盗事件をベースにさまざまな人間群像を絡ませた面白且つ秀作イギリス映画。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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この映画のポイントは貸金庫を題材にしているということだろう。秘密主義が徹底しているので盗まれても公に届けることが出来ない。それよりも王室スキャンダル写真、政府高官秘密クラブ写真、汚職警官賄賂ノートを入手してしまった犯人たちの開き直り捨て身行動が秀逸で面白い。

これが事実に基づいているというから本当にそこらの強盗ものより俄然面白くなるのは必定。2時間にまとめてあるから、窃盗集団が集まるまでのエピソードが掘り下げていないのは少々残念だが、まあ作品全体を押し下げるものではない。

地下掘りもロンドンのペスト被害状況など歴史的被害もさらりと浮かべさせ、トンネル堀の面白さ・サスペンスを倍増させている。

後半の三方からの敵との駆け引きがこの映画の珠玉たる部分で、あんなにうまくいくかなあとは思うけれども、事件はなかったことになっているんだからここはフィクション部分なのかもしれない。でも、映画的にはこのラストは爽快で楽しい。映画的盛り上げも十分だ。

まあ、饒舌な部分も少々見られたが(スキャンダル写真を奪うため敵地に乗り込む女性スパイ話はなくてもよかったのでは、、)全体的にエンターテイメントしては一級の出来である。俳優陣もそれぞれ味わいが深くキャスティングがうまい。こういう隠れた名作がこのまま埋もれてしまうのも惜しいなあ。もう一度DVDで是非見たい。

(評価:★4)

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