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[コメント] カラスの親指(2012/日)

4年前に読んだ原作。読後感を読み直してみるとほとんどこの映画の感想と同じだということに気づく。これは珍しいことで、今回はその読後感を載せてみることにします。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「400頁そこそこの長編なんだけれど大半読み終わってもミステリーって感じしないんだよね。この世界はまるで伊坂幸太郎です。社会から隔絶されている人間たちが寄り添って生きていくそして過去の仕打ちに復讐することで一心同体になる。

ほとんど道尾の本は読んでいるけれどこれほどミステリーから離れているのも珍しいと若干フラストレーション気味になっている自分に気づく。あれ、いよいよ道尾も普通小説を書くようになってしまったのかなあと失望し始めたとたん、ラスト近くの大どんでん返し、そして更に疾風のごとく続くラストのどんでん返しで僕の顔面は満面の笑みに変わっていました。

あ、なるほど、我慢に我慢を重ねるほどこの嬉しさが沸き立つ仕掛けになっているのですね。もう、道尾は、一番肝心の読者をペテンにかけるとは、人が悪いですね。でも、ファンとしてはこれ以上の喜びはありませぬ。」

敢えて付け加えると、血の繋がらない家族と実は繋がっている家族、現代ではめずらしい雑多な人間たちの共生もまた楽しかるかな。ちなみに原作は85点でしたので映画化によって多少道尾秀介の世界観が薄められていたと思う。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)死ぬまでシネマ[*]

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