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[コメント] PERFECT DAYS(2023/日=独)

「東京画」以来のヴェンダースの東京再現だ。男の日常はワンパターン。粗末な住宅である。朝起きて小さな植木に水をあげ、そして車で都内各所を回りトイレを掃除する。終われば銭湯で体を洗い、そしてチューハイをすする。たまには古めいた小料理屋で酒をいただく。その繰り返しだ。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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なんとこの映画では役所の声がほとんど聞かれない。特に前半はまったくだ。彼は心で、体でヒトを表現する。私たちもそのうち同化する。そのうち、ちらりと彼の素地も見えてくるしかけ。面白くなってくる。

姪が家出してくることから、彼の家が素封家だったとわかってくる。また、行きつけの小料理屋のおかみにわずかな恋愛感情を持っていることもわかってくる。

何が今の彼の生活を持続させているのか。

この世に生存するすべてのものと共存し、それに感謝する。木々、空、人々、100円文庫本、それらとかかわるこの人生。素晴らしきかな。

ヴェンダーズ、流れる音楽の最高でした。彼も極みに来ていますね。本当に日本、東京が好きなんだ。あののっぽの東京タワーが何度も映されていました。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ジェリー[*]

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