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[コメント] イルカの日(1973/米)

M・ニコルズのヨーロッパ映画風の端正な演出は良い(今ではこの演出では客は呼べないが、当時はヒットした)。でもストーリーは大したことがないのよ。イルカは本当に可愛く撮れてます。
ジョー・チップ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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「ファ〜、パ〜、スキ〜」とか言ってすりよってくるイルカはホントにかわいいんだけど、やってることは人間の手前勝手なエゴですよ。それにイルカが現実に喋れたとして、あんな可愛い声を出すか?というのも未知数で・・・横山やすしみたいな声で「おらおら早くメシ出さんかい」とか言出だす可能性もあるし(ないな・・・)。                                      博士もことが深刻になってから、「彼らを家畜化してしまった、我々が彼らに近づくべきだった・・・」と気づくが。この博士が何故こうした研究をしているのか。よく分からなかった。そこのところが曖昧だからテロ集団につけこまれちゃうんですよ。                                                                        イルカに言葉を教える理由、それは人間以外の生物の世界観を知りたいから、だろう。この宇宙は残念ながら、人間の知覚でしか語られていない。極小の世界を探求してはニュートリノを発見し、宇宙の果てを探求してはクェーサーとかいうのがあるらしいぞ、などと人間は外界を、また内面を探求し続けた。しかし人間は不安なのだ。本当にそれが正しいのか、充分に説明されているのか。今のところ「多者」の意見は訊けないので、不安な人は宗教やオカルトに走ったりする。 実際のところ、もしイルカが人間の言葉で自分の意思で喋り始めたら、それは知的宇宙人の到来に匹敵する大事件だろう。この映画はどうもそこまで考えていないので、変な暗殺計画どまりで終わっちゃったような気がします。                                                                     

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)Orpheus disjunctive[*]

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