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[コメント] デス・トゥ・スムーチー(2002/米=英=独)

「日本未公開だ!?ふざけんな!…すげぇ悔しい」この絶望はレインボー・ランドルフと共に…。いやぁ、腹抱えて笑った。ダニー・デビートの描くブラック加減は本当に危険。ブチ切れロビンと超純粋ノートン、なんちゅー化学反応!
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
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この映画の製作がアナウンスされた時から注目してきた作品だけあって、かなり待ち焦がれていた作品であった。んがしかし…みみみみみ未公開だぁ!?どういう経緯でこのような事態になったのか知らんが、それを知った俺は絶望の淵に立たされていたわけで。そして仕方なく、すかさずDVDは予約。そして鑑賞に至りましたとサ。実に数年の月日が…長い、長すぎるぞ。挙句の果てにスクリーンで拝むことが出来ないとは。ガックシ。

上記で散々言っておいて恐縮ですが…いざ観てみると、ビデオDVDスルーの理由が少しばかりだが分かるような気もする。この映画、ロビン&ノートンという夢の豪華キャスト(言いすぎ?)なのだが、それ以上にスゴイのは、あのブラック加減。観る人を選びそうな映画ではある。そのブラックさは直接的な描写(×××クッキーや銃殺etc)であったり間接的な表現であったりする。比較的、後者の印象がスゴイのだが、とにかくハチャメチャな展開なのだ。

(DVD特典で)カットシーンが多いことからわかるように、テンポの刻み良い展開になっていて、そのブラックさは無駄なく濃縮されているのがわかる。大まかなストーリーは、「スムーチーが思うように利用され、レインボーの行動は全て裏目に。スムーチーの背後で動く財団の正体…」というものなのだが、自分がいろんな意味で愕然としたのは、この映画が描く子供番組そのものだ。スムーチーの歌の歌詞は現実では放送できそうもないし(新しいパパと仲良くするには?等。笑)、アイスショーで銃殺されたムーチーを称える過度な演出もそうだ。それをまじまじとやってのけるのだから、この映画は大真面目に子供番組を描いていることになる。…なんというスタンス!すなわち、最もブラックなのはストーリーなんかではなく、甘っちょろい(?)世の中の子供番組を真っ向から否定し、大人のスパイスをふんだんに使って現実を踏みにじってしまったダニー・デビート本人そのものではないだろうか?……しかしまぁ「それって面白い試みじゃん?」と思う俺なのでした。反省。

基本的にノートンをご贔屓にしている自分は、実に満足のいく内容でもあった。シリアスな演技も良いが、コメディも上手い。自身がメガホンを取った『僕たちのアナ・バナナ』を観れば一目瞭然なんだけど。両手を広げてポーズをとるスムーチーの表情なんかは最高だ。そして、「あー、こんな奴いるいる」と連想させるキャラクターが見事に演じられていて…一種の感激モノだ。

ロビン・ウィリアムスも久々にハジけた演技を魅せてくれた。嬉しい。『インソムニア』『ストーカー』に続き、ロビン悪役三部作の三本目にあたるわけだが、この映画のロビンが一番良かった。やっぱり彼はああでなくちゃ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)peaceful*evening[*]

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