コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] サルバドル 遥かなる日々(1986/米)

いつも思うんだけど、例えば自分があの戦闘の真っ只中にいて必死のとき、そばで写真を撮っている外国人カメラマンをどんな気持ちで見るのだろう。あんたたち危なくてこっちもやれんから、ちょっと退いてくれと言いたくなるんじゃないだろうか。それとも、そんな余裕はないかな。
kazby

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ロバート・キャパのようになりたいと言っていたジョン(ジョン・サベージ)。でも、撃ってくる戦闘機にカメラを向けるなんて、被写体にいくら近づけっていっても、あまりに無茶じゃない? 命は大切にしなくちゃ。あなたがそのフィルムを持って帰らなければ誰がエル・サルバドルの真実を伝える?

凶弾に倒れたロメロ大司教(ホセ・カルロス・ルイス)の演説に比べて、右翼の集会も演説も、徹底的にダサ過ぎで、ああ、こんなもんが政権とってまたまた貧しい人から搾り取ってはUSに儲けさせるんだべなと思うと心底くやしい。

別な選択はなかったとはいえ、CIAのチンピラに迫られてふにゃふにゃと、軍事援助の要請をしてしまう、”中道”の大使君。 たたけばきっと女性スキャンダルがでてくる、もしくは、ゴミの分別などにうるさそう。

リック(ジェームズ・ウッズ)の場合...これは、この人の性質なんだな。派手で、せこい。とっととUSに帰れよと言いたくなってしまう。 キャシー(シンシア・ギブ)達の惨殺事件の後、やっと本気で怒ってたみたい。ああ、いやだ。何しに来たんだろう、この人。

あたしも、たいそう大きなお世話だと思う。それを一番良く表現していたのは、マリア(エルピーダ・カリーヨ)のおばあさんだったな。 小遣い稼ぎにやってきて、尻に火がついたと思うと、マリアを連れ、友達の撮った写真をもって、逃げ帰る。 国境で、マリアは、自分に祖国がないのだと思い知っただけだった。 まあ、彼に今後も会うことなく、頑張って生きていってほしいよ。

正義が何かなんて、言うだけ野暮だ。 虐殺の嵐をくぐリ抜けて、今も闘っている世界中の人たちと、難民になって今も帰れない人たちと、力を合わせて、みんなが手を取り合って暮らせる世界をきっときっとつくろう。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。