結論から云わせて頂くと、良いシネマだったと思います。全体的にほんわかする感じ。ふんいきが良い。

温かく可愛い人物たちと、それを演じた俳優人の頑張り、良い音楽、温かい且つアホくさいユーモア、風景の良さと、そしてそれを遠くから写すカメラワーク（←これが誠に素晴らしかった！風景の中に人が動く。「風景」が「背景」で終わってない）。

派手さは無くこぢんまりとしてますが、小粋な英国らしい作品。

しっかしながら、ここだけは納得いかなかった。

それはあの女！シャーリー。

優柔不断、付和雷同、気分屋。こんな性格でええの？ええ大人のくせして、２人の男をアッチコッチ・・・貴女、それで娘もおるでしょう？ほんなら自分のことだけ考えてたらあかんで。

２人の間を「あーでもない、こーでもない」って悩んでいる感じではなくて、そのときの気分、そのときの雰囲気で動いて、何回も何回も２人を振り回し、傷付ける・・・それじゃあかんわ。

このアホ女のせいで、感情移入出来ず、ドラマティックである筈のオチも冷めた目で見るしかなかった。「やっぱりデックがいいわ」って娘と３人で抱き合うめでたしなシーンなんですが、さっきまで夫婦再開してたくせに、デックの腕の中でジミーを睨み付けるな！そんなんやったら最初からそうせえアホ！

シャーリーの心情と、ジミーの魅力を巧く描けなかった脚本がグズグズ。短い時間でドラマを作らなければいけないのは解りますけれど・・・・・あの冒頭の番組といい、「自然さ」に欠けていたことが誠に残念。まあ、コメディと考えれば良いのでしょうけれど。

と、散々文句たれましたが、かなり好きです、このシネマ。