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[コメント] 女殺し油地獄(1957/日)

放蕩野郎が主人公で、放蕩のつけが全てに悪影響していく展開は予想出来まくりで、さらに無情にも同情の余地を残していかない。が、親というのはどんな時も、こどもの事になると吝嗇家にはなりきれない。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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自分の能力ではなく、自分のバックについてある河内屋の暖簾と小遣いに惹きつけられていた周りの人間の変貌と、それに気づかず最後の最後まで駄目を通した駄目息子。

わかりやすい。

息子のことを思ってしまう親心。それで立ち寄る家に息子がいることもしらず話をし、お金を置いて息子を愛する情愛をこれでもかといわんばかりに連続で語りかける。

わかりやすい。

で、最後に放蕩息子が両親の話を聞き、それに心うたれて改心し、新たな自分に目覚めるところに殺害のシーンが挿入されているわけだが、何故、両親の家に向かわないのか。そこまで改心していて何でそうなるのか、ちょっと「?」だった。その気持ち解らない訳ではないが、両親の家に向かうのが筋であるはずだし、論理的に正しい。

そこで話的に面白みを持たせようと捻った近松門左衛門のテクニシャン振りを垣間見られた瞬間だったと解釈した。微妙なズレを演出することによって、より放蕩の負を強調したのだと思うと、計算された物語だと言える。

油が満たされた土間に、血が注がれていくシーン。油に足を取られ立つことさえ許されない状況、放蕩息子の走馬燈を表現した点だと見ると素晴らしい。全てに滑った男が、地獄に一直線に滑り込む処刑台の道のりまでを現している。見事。

2003/8/8

(評価:★3)

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