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[コメント] スーパーマン(1978/米)

今見ると陳腐すぎるスーパーマンは、過去を美化しがちな人間達の印象では魅力的であったスーパーマンの幻想とかけ離れている。クラーク・ケントの誕生から学生時分らへんまでが、この映画の見所であり、それ以降は“名場面”はあっても“見所”無しの、人生の糧となるような思想が乏しい駄作。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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全ての銀河や全ての仕組みを知っているはずなのに、一人の女性に打ち明ける勇気もないし、打ち明けたところで、自分を理解して貰おうという能力に乏しいクラーク・ケント。彼はヒーローではなく、筋肉図体がデカいだけの、そこら中に売れ残って転がっている男だったようだ。

地球上の人類の役に立つようにと、クリプトン星から何千年と睡眠学習&マインドコントロールを掛けられたはずなのに何て小さな男なのだろうか。アメリカだけが助かっているのはいかがなものかと疑問を感じてしまうのは、誰しもが思うことだろう。冷戦まっただ中の1978年という時期を見てもお分かりの通り、アメリカが起こしている紛争や代理戦争の解決に乗り出さないスケールの小さい体制側にベッタリな男など、スーパーマンどころではない。

特に、地球を逆回転させて女性を助けるのは映画的に面白いが、当然のように、それ以前に逆戻りしたら良いではないかと思う。そう思わせる展開をヌケヌケと用意し、ハッピーエンドのように仕立て上げる胸糞悪い映画をもう一度見直して欲しいものだと皆に言いたい。全ての銀河や全ての仕組みを知識として蓄えるだけで、それをフルに活用しない独占欲旺盛な天然大馬鹿野郎、偽スーパーマンに天罰を。

「世界平和を主軸としたジャパニーズ特撮映画に、自分さえ良ければそれで良しなどという文脈など無いことを知って欲しい」と言う言葉で終わりにしたい。

2002/12/27

(評価:★2)

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