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[コメント] イン・アメリカ 三つの小さな願いごと(2002/アイルランド=英)

イマイチ感情移入しきれず、乗り切れず。良い話。家族の絆と絶望からの奇跡への再生。(甘めの採点) 2004年1月12日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これの前に『ポロック』を観て、その前半部に見事に感情移入しきっていたのがまだ記憶に新しい状態で観たのせいか、イマイチ感情移入しきれず「良いお話」程度にしか受け容れられず・・・(←ひねくれモノ)

確かに良い話なんだとは思う。一つの絶望のトラウマの恐怖と、先の見えない絶望の中でアメリカ、NYの夜景の明かりに照らされながら「Dad,America is Okay」と叫ぶ娘達の姿に希望を見出すこのドラマ。ボロボロのヤク中とオカマしか住んでいない様なアパートに心に闇と懐に少々の金を手に移住してきたアイリッシュの家族。

多少の突っ込み所はあるにしろ(あのカメラは高いのではないのか?だとか出来すぎた話だ!だとか金も無いマトモな入国をした訳でもない移民がどうして学校に入れるのか?だとか)そういうのは突っ込むのは野暮だよ、みたいな感じに観れる。

だけど、何か感情移入できない。泣かせの演出も割と良い感じに挿入していてうまく作っている(泣かなかったけど)し、何かが変わった訳ではないにしろ、見えないものが大きく変わっていくクライマックスには何かしら感動はさせられるし、父親の働く姿、娘達の希望を一途に信じる姿には例えようの無い説得力を感じられた。

しかし、何だか突き放されている感じがするのは何故だ。良い所全部かっさらって行ったあの黒人ばかり印象に残ってしまうのは何故だ?1時間半がこんなにも長く感じるのは何故だ?

良く分からないけど、イマイチノリ切れなかった。良い作品だとは思うけど、アカデミー賞獲れるかどうかは少し疑問。まぁこの作品は賞を獲ろうと獲るまいと、十分価値のある作品ではあると思う。

この映画の、この子供たちの希望を一途に信じて明るく生きていく姿には元気を分けてもらった気がする。家族と言うのは本当に絆で結ばれている。生きていても死んでいても。

新しい命が産まれ、彼らの生活は余計に苦しくなるのかもしれないが、そこには彼らが乗り越えてきた苦難の何倍もの感動があるのだと思う。娘の姉貴の方が使う「3つの願い事」は本当に小さな事。でも、それは劇中で歌っていた歌の歌詞の中の「無いものねだり」ではなく、「小さな願い事」だった。小さな奇跡だか大きな奇跡だか、そんなのはこの映画には関係なく、まさしく家族なのだ(何かまとまってないなぁ)

しかしNYの夜景は綺麗だ。本当に綺麗だ。綺麗過ぎて残酷にすら見えても来る。

観終わって思い返して居ると何か「良い映画を観たぞ」という感じもするけど、★3・・・と、しようと思ったけど、★4にしてもいいかなぁ・・・と悩んでしまう。

ま、少し甘いけど★4で(3.5)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)makoto7774[*]

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