[コメント] ゴッドファーザーPARTIII(1990/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
一作目、二作目と見てきて、ある程度予想がついていたが、大方その通りだった。肌に合わない。
映画としての完成度は確かに悪いとは思わないのだけど、俺にはこのシリーズはどうやら合わないらしい。今の俺には、と言うほうが正しいのかもしれないけど。
3作全てに共通して、映画の完成度以上の物が俺の胸に突き刺さらない。
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ただ、前2作に比較して、多少作品として安っぽくなっている感がある。血糊の量が多いからか、何か『ゴッドファーザー』と言う映画の持ちうる格調とでも言う様な物が、多少なり失われている気がして、ファンじゃない俺からしても前2作の評価が高く、本作が、比べてあまり高くないのも頷ける。ま、どっちかと言うと点数通り、俺は一作目が一番だとは思うけど、それはマーロン・ブランド=ビトと言う人間の大きさであったのかもしれない。マイケルがビト程の人間ではなかったのと同じ様に、マーロン・ブランドはあまりに大きすぎた、と言う事なのかもしれない。だとすれば、アル・パチーノは、このシリーズに限って言えば、非常に悲惨な役者なのかもしれない。いや、良く分からんけど。
ラスト、一人ぽつんと座っているマイケルが、静かに倒れるシーンで映画が終わる。個人的には、取ってつけた様なラストで、少々安っぽく感じたのだが、恐らくコッポラも、編集の段階であのシーンを挿入した瞬間、安堵の溜め息を漏らしたでろう。
◇
あのラストシーンから映画の終わる音が聞こえた。その音は、圧倒的に素晴らしいオープニングから始まった『ゴッドファーザー』から『ゴッドファーザー2』と言う映画史に残る続編が作られる時に注がれたコッポラ含む全てのスタッフの情熱の塊が、一気に冷めた様だった。
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