哀川翔扮する城島の元に娘と母親が尋ねてくる。その後二人は爆死する訳だけど、そのシーンで娘は警察署の模様を見て「気が変になりそう」と言うんですけど、俺は最初、（いつも嫌っている）親父の刑事姿と、哀川翔のベルトの位置に対して言ったのだと思い込んでいた。単純に後ろの方でしょっ引かれてたホスト嬢みたいな人らの事だったんですね。

とにかくパワーが溢れている作品。

冒頭の１０分間の圧倒的な編集と暴力描写でこの映画の世界観を示した所で一旦は落ち着くこのお話。途中までは結構普通な話かと思っていた。

けど、違うのね、三池さん。アンタモロにぶち壊したね。この映画一本じゃなくて、有り得ない設定を如何に作ればリアルに見えるか、と苦戦している人の苦労をぶち壊して、挙句一瞬にして抜き去り、あらぬ方向に飛んでったって感じ。

割と観易く（ただ台詞が聞き取り難い箇所もあったんですが）見せきる。多少中だるみも感じたりもしたけど十分許容範囲。アクションシーンもカッコよくスピーディでスタイリッシュ。散りばめられた訳の分からんユーモアも素晴らしい。

そしてラスト。

もう大好き。どうしてこういう事をマトモに出来るかなぁ・・・。あんまり馬鹿馬鹿しすぎてカッコ良いぞ。竹内力も劇中ほとんど何もせずに突っ立って格好つけてるだけだから余計にカッコイイ（謎

ちなみに実はラストを既に知っている状態で鑑賞してしまった。自らの不注意で映画を存分に楽しめねかったのが悔しい。けど、このとんでもない勢いには★５を献上するしかなく、俺はそのままひれ伏すのでした（謎

◇

と、ここまで書いて思い返して、イマイチ物足りなさが残っている事に気付く。この作品に一体何が足りないのかすら良く分からないのだけど、何か足りない。特に中盤の物語を語る部分に。

何かイマイチドラマに捻りが無い、と言うかドラマを描く素振りをしておいて描かないのならまだしも、十分描き切って居ない感じが残ったのが何か納得行かない。やっぱあれだけぶっ壊すのだからきちんとがしっりした原型が欲しかった気もする。

そういう訳で★４