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[コメント] ハッピーフライト(2008/日)

「映画を作るときは、観客を楽しませることしか考えていない」という矢口史靖監督が配する仕掛け(小ネタ)に驚き、笑い、結末が分かっていながらも手に汗握らされているという快感。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これも全て(全員をオーディションで選んだという)的確な配役の登場人物が、観客の思い描くとおりの展開に巻き込まれていくという映画の王道がベースにあるからに他ならないのだが、こういった要素をしっかりと押さえつつ、しかも103分にまとめ上げるという、こういう誰にでも出来そうで案外出来ないことをサラッとやり遂げ涼しい顔をしている彼に今回もまたやられてしまった。

しかしまぁ、彼の映画の登場人物たちはどうしてこうも魅力的(気持ちよさそう)なのだろう。もちろん脇役に至るまで印象に残るエピソードがしっかりと用意されていて、それが劇中できちんと完結するというストーリー仕立てもいいのだが、寺島しのぶ岸部一徳、あるいは田畑智子といった芸達者を要所に配し、締めるところは締めるというその手際の良さは半端じゃない。本当に、いつの間にこんなに巧くなったのかと思う。物語的にも前半にまいた小ネタの数々が無駄にならず、ちゃんとクライマックスへの伏線になっているところなんか感心するし、かといって最後のオチを見せ過ぎないというさじ加減も本当に絶妙で(例えばレストランに駆け込んだ田畑の奥にスーツケースを効かせたりするところなど)、素直に素晴らしいと思った。

(評価:★5)

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