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[コメント] 先生!口裂け女です!(2023/日)

観てる間はド寒くてなんじゃこりゃーと思ったけど、金のない若者がガッツで頑張ってて翌日には好印象しか残らなかった。
ペンクロフ

コワすぎ!』ファンのわたくしは、ハッキリ言って大迫茂生を観に行ったようなものだ。「コワすぎ!」1本目の「FILE-01 口裂け女捕獲作戦」への敬意が今作にあるのは明らかで、好感を抱かざるを得ぬ。大迫茂生ちょっと老けたね。

貧乏映画ながらアクション、擬闘は大したものだ。口裂け女の人物像も面白い(截拳道の使い手!)。若者たちのキャラクターはよく描かれていて、演者も好演。ヤンキー女もお姉ちゃんもチャーミング。では何がダメかといえば、素の会話場面すべてが壊滅的にダメなんだよな。

会話をまるで演出できていないから、あとからコミカル風BGM、シリアス風BGM、感動風BGMなどを貼りつけている。長めの会話では、これがたとえばコミカル風からシリアス風に移行しちゃったりする。こんな酷いことってあるか。学生映画か。監督は編集してて、こりゃ音楽でもつけないともたねえなと感じたのだろう。それは会話場面をちゃんと考えずに適当に撮ってるからそうなるんだよ。あと、編集で何度も観るからヤベーもたねえと過剰に思っちゃうのであって、初見なら案外もつものだ。劇伴は半分でいい。

ただ学生映画に限らず、会話場面にコミカル風BGMをとってつけて「コミカルでしょ、楽しいでしょ」とやったもののまったく楽しくないド寒い商業映画だってこの国には少なくない。代表的なのは黒土三男長渕剛の『英二』である。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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