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[コメント] 僕のスウィング(2002/仏=日)

スウィングと走る。スウィングはどこにも行けない。スウィングは唾を吐く。(レビューはラストに言及)
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







物語の大部分は、少年マックスが踏み入れた甘美な異世界という視点から描かれていたが、彼が去った後、目線がぐぐっとスウィングのほうに移行する。

マックスの視点からはあらゆる物や人、あらゆる出来事が輝いて見えたが(観る側もその世界観を共有していたが)、スウィングの視点からすると必ずしもそうではないのだろう。一瞬にして「遠くのどこか」へ運んでくれる特急列車が彼女の生活圏を切り裂いていくなかで、あらかじめ「行き先」を封じ込められた彼女はその場にただ佇む。重おもしく閉じられた冷たく無機的なドアが、容易に越えることのできない「壁」を連想させた。(★3.5)

*公式ホームページを参照したが、スウィング役の女の子は実はマックス役の男の子よりも2歳年下らしい。この年頃では女性のほうがいかに成熟が早いものか思い知らされる。(一概に言ってはいけないことかもしれないが…)

(評価:★3)

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