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[コメント] 春の雪(2005/日)

村上ファンドじゃないけど、映画は金払った客のものでもあるよねー
マーヴィン

この映画の最大の魅力が映像の美しさであることは、作り手も受け手も合意するところであろう。 そして、その映像美を創り上げた立役者の一人が、撮影の李屏賓であることにも異論はないであろう。光と影、そしてその挟間の色彩を深みのある絵で見せてくれたと思う。

しかしながら、どうにも気に入らなかったのは「動き回る」カメラワークである。カメラは動く登場人物を追い回し、心象風景を表そうと、目をそらすかのようにカメラをゆっくりと左右に振る。

別にどこ見てたっていいじゃん!思わずそう叫びたくなるような押し付けがましさで、「ほれ、ここを見ろ」「ほら、こう写すと演者の感情が伝わるだろ」とクドいぐらいに映像の美を追求し、映像の力を誇示している。

行定勲とともに、見せたい映像作りに注力したのだろうが、映画は作者のものだけではない。見る客がいて初めて映画として成立する。あらためて言うまでもないが、見る人それぞれに見る場所も感じる場所も違う。僕にはこの作品におけるカメラワークはどうも落ち着かない、心地良くないものであった。

(評価:★3)

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