以下、ＴＶで北野武が言っていたこと。

映画の表現というのは、「振り子」みたいなもので、ある一点を描こうとするなら、その真逆の一点に「振り子」の振りを持ってきて、振り子を離したときの反動で、本来描くべき一点を表現する、だとかどうとか。

つまり、北野監督にとってのバイオレンス描写というのは、暴力の対極にあるもの、つまり監督なりの「愛」を表現しているわけで、「ＨＡＮＡ−ＢＩ」は「愛」を謳った映画に他ならないわけである。

そういう監督の言いたいこともわかるのだが、実際作品のなかで描かれているバイオレントな表現（もちろん西刑事の暴力行為に限られる）の中に、自分は「愛」を感じることが出来なかった。

この映画が秀作であるというのは、なんとなく納得できるが、いかんせん僕には合わないな。