コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 柔らかい肌(1964/仏)

映画は不倫する。
24

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いやあ、なにやら思わせぶりなコメントですがこの映画を観て感じたこと。それは不倫というネタが映画にとっていかにオイシイものであるか。このネタを使うと伴侶にばれるかもしれんという「サスペンス」と不倫相手との熱々「恋愛」という2つの要素を並行して語れるのだ。どんなに下手な作品であってもある程度はマシな仕上がりになっているのではないだろうか。不倫万歳だ(←いや、違うな)。とはいえども、この作品、かなりの上出来である。流石トリュフォー。ラウール・クタールのカメラワークといいシャープなモノクロといい映像的には文句のつけようがないほどだ。

主人公のおっさん、バカバカバカ。更にバカ。

これが最大の感想。というか、思ったことは一つだけしかない。見事なまでにダメ人間。彼に長所があるのだろうか? 知人をだらだらと振り切れずドルレアックを蔑ろにしてしまうシークエンス。お前曲がりなりにも不倫するんだったらするできちんとせんかい! ウザったい知人などブン殴って彼女の元に駆けつけるべきなのだ。「何を最重要視するか」というものがグラグラしていて全く分っていない御様子。見事な反面教師となりました。ラスト(妻に電話をかけようとするが電話ボックスは順番待ち、やっと出来たと思ったら妻は既に出発)にしたってそうだ。人生が懸かっているというのに素直にのんびり順番を待っている。あまりの馬鹿さ加減にイライラするぜ。状況判断能力の弱さというか、流れに漂っているだけの無思慮な生き方とか、本当にどうしようもない。これでは不倫などしなくてもいずれ破滅を迎えていただろう、と思ってしまうほどだ。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)ジェリー[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。