[コメント] 羊たちの沈黙(1991/米)
これが続編と比べて傑作たらしめているのは、作品全体をおおう“悲しさ”だと思う。
過去のトラウマに悲しむクラリス、幽閉状態を悲しむレクター、自己不確立に悲しむバッファロービル、監禁状態に悲しむ人質、娘を奪われた女性政治家等、登場人物はみな悲しみに包まれている。
基本的に悲しみを背負っている人物には観客は感情移入しやすい。そういう人物はある意味“弱者”な為、同情心などが湧きやすいからである。(逆に強者に感情移入する場合は、あこがれや変身願望である)
悲しみのトーンが全体を覆うことでホラーの枠を越えることに成功している。(純粋なホラーの部分が意外に少ない)。これが続編となると、開放感にひたるレクターが主人公な為、この悲しみ感が少ない。アンチヒーローものになってしまっているところが、前作を超えられなかった原因ではないか。
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