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[コメント] 飛ぶ教室(2003/独)

 あのテオドルも見慣れると味のある顔をしていると言えなくもないかもしれない。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 まあ、男女共同社会なんだろうけどさ、クラスに二人しか女がいないような感じになっちゃうなら無理して出すことないでしょ、女の人。特に正義先生の恋人役の人は何のために出ているんだか。ナイスバデーでダンシングのためですかね? それとヨーニーおいしいところ持って行きすぎ。それゼバスチアンの役目だったんだけど。

 真面目に怒ってみるとだ、原作のキャラクター設定を何で変えるのかってことだよ。子どもは大人よりも考え方が劣っているということはなく、子どもであるけれどもきちんとした考えを持った一人一人の人間、それが原作の奴らだったじゃないか。それを象徴するキャラクターであった“詩人”ヨーニー・トロッツ、“理屈屋”ゼバスチアン・フランク(この映画ではクロイツカムと一体化してしまった)のキャラクターを変えちまったことはもう許さん。sが五つつくくらいのフリカセーにしてやる。

 ヨーニーは大人を唸らす詩の才能を持つ男で(病院のシーンでいきなり「作家の卵です」なんて、唐突すぎ。おまえ今までラップにオタマジャクシつけてただろ)、ゼバスチアンはグルーチョ・マルクス並みの頭の切れを持つ男だ(あの物理セットはもうアホらしすぎ)。マルチンは「この手紙の内容は、だれにも話せない」という、人間らしい“恥じらい”というものを持っていた。こんなにあけすけ話す子供なんていないよ。バカにしやがって。

 子どもは大人よりも劣っているのではなく、小さな大人なんだ。それをあの五人に託して描いたはずなのに、この映画にはあり得ないほど子ども子どもした子どもしか出てこない。マチアスがやたら目立つのも、あの五人組の中で一番素直な男の彼がこの子ども子どもした映画の求める“子どもらしい無邪気さ”にぴったりだったからだろうな。

 古代のラップを発掘したところで笑ってたの私だけだったな。ごめんよ、周りのチビッコたち。まあ君たちコートやハンカチ畳んでたけど。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)死ぬまでシネマ[*]

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