[コメント] ボディガード(1992/米)
この映画、大ヒットの要因として「男女同時にツボをくすぐる」作戦があったように思います。
女性のツボは分かり易くくすぐってますよね。「命がけで高貴な私を守ってくれる男性」。その「高貴」さにリアリティを出すためのホイットニー・ヒューストンの起用。多少の我がままは甘えの表現なんでしょう。あ、これは極めてステレオタイプな女性のツボ論ね。そうじゃない方も沢山いらっしゃるっていう上でのお話ってことで。
で、同時に男性のツボも押さえてるんです。「命がけで愛する女性を守りたい」。これって今や失われつつある男性像に近い。平和な日常の中、守らなきゃならない状況もなく、守りきるだけの根性も低下中。いや守る気はあるんだよ。「俺だっていざとなったら・・・」ってね。だからこそのツボ。
ケビン・コスナーのいい男ながらどこかボンクラっぽい顔も効を奏します。「あいつができるんなら俺だって・・・」。
とは言え女性が強くなったと言われるようになって久しい現在。そうそう「男らしさ」を発揮する場所なんてないんだよね。使わなきゃ刀も錆びる。そうやって男たちは錆びた刀を気付かないまま握りしめて、この映画で夢を見ることになったわけでした。純粋なだけに頭の悪そうなお話。
え?僕ですか?僕の刀はハナから竹光です。
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