巻き戻したのは当然ヒロシの回想シーンとしんちゃんの階段昇りシーン。階段シーンはもう1回観て泣いたので、正確には延べ3回泣いてます。

泣きながら思ったのは、「このシーンだけ取り出して観させられても、やっぱり泣くんだろうなぁ」ってこと。しんちゃんの鼻血や、徐々に荒くなっていくタッチには、それだけのパワーがありました。

ただその分、後半がものすごく浮き上がって感じられる気もします。前半のいつものしんちゃんテイストから、一転して卑怯とも言えるクライマックスになだれ込んでいくのでそう感じたんでしょう。

実は『クレヨンしんちゃん』、原作は好きなんですがアニメは余り好きではありません。似てないしんちゃんの真似を飲み会の席とかでやられると、グーでぶっ飛ばしてやろうかとか思います（似てるのはOK）。

そんなしんちゃんテイストがそこここに顔を出す前半なので、1/4歩だけ退いて観ていた感はあるんですよね。でもそんな「いつものしんちゃん」を出してこそ、後半のインパクトが強烈に伝わるんでしょう。だから映画として考えると正解なんだと思います。この映画は「しんちゃん」であり、「しんちゃん」だから凄いんです。これは良くも悪くもね。

まぁ何を言っても自分の涙には逆らえません。夕方の再放送アニメを観ながら夕食を待っていた小学生時代、ヒグラシの声とカレーの匂いを思い出して心がギュッとなったのは僕自身なんですから。